パラダイムシフトする運動器の世界

 パラダイムシフト(paradigm shift)とは、その分野で当然と思われていた認識、思想が劇的に変化することを言います。

 今、運動器疾患に対する認識がここ10年間で大きく様変わりしようとしています。

 

 今月18日の日刊スポーツ新聞に「画像を見せられて納得・・・ここが落とし穴」という医療記事が掲載されていました。

 内容は今話題になっている脊柱管狭窄症を取り上げています。

 この疾患は歩いていると脚に痛みやしびれが出てきて、少し休むとまた歩けるようになる症状が特徴で、重症になるとほとんど歩行ができない人もいる厄介な疾患です。

 画像診断が確定診断をするために重要となっており、脳から出てきた神経の束(脊髄)の通り道が圧迫されているとほぼこの疾患と診断されます。患者さんもこの説明を受ければ納得せざるを得ません。

 

 ところがここに疑問を感じているドクターもいるのです。

 どういうことかというと、実際に脊髄の通り道が狭くなっているにもかかわらず「痛くない人」もいるからです。全く無症状の人を無作為に選んで画像を取ってみると10人中2,3人の割合で狭くなっていたという結果報告を聞いたこともあります。

 

 そのために従来の診断と治療を科学的に見直そうという機運が世界的に高まってきました。ではどこから見直しているかというと、皮膚組織や筋膜といった軟部組織に集中しています。さらに、そこに付随する脂肪体と言われる脂肪組織にも神経血管が集まっていることがわかり、ここに炎症が起きやすいこともわかってきました。これまでは見向きもされなかった組織ばかりです。

 

 まだまだ研究段階なので、このことで脊柱管狭窄症の治療が変わったわけではありませんが、運動器の痛みが骨だけの問題とは言えなくなっている昨今で、軟部組織の状態を捉えた「筋膜性疼痛症候群」(MPS)という新しい概念がこの研究のなかで生まれてきました。

 これは人が痛みを感じるのはfascia(ファシア)と呼ばれる膜に病変が起きたときという事実に基づいています。Fasciaには先に挙げた筋膜、脂肪組織のほかに骨や脊髄を包む髄膜、胸腹膜、靭帯、腱なども含まれます。このMPSではこれらの組織変化を画像で捉えることで他覚化することができます。

 

 当院でもこの先の限りない可能性を感じて、このMPSの可視化とこの概念に東洋医学の手法を用いた診察と治療を試みています。




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