人のカラダの中心線

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 今日は前回お伝えした上半身と下半身を結ぶ身体の軸について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 ここでいう身体の軸とは重い頭を無理なく支えられ倒れないで立つことが出来る重心線のことです。頭部の中央から垂らした一本の糸を想像してください。頭部から背中の中心にある背骨、そしてその重量を受け止める骨盤、さらにその骨盤を支える2本の足の中央を貫く垂直線に一致するのが理想です。そうなれば人体は筋肉に負担をかけず重い頭を骨格で支えることが出来るようにできています。

 しかし、実際にはまん真ん中より若干左寄りにヒトの軸はあると言われています。
何故かというと、そのほうが咄嗟のときすぐに右足や右手が出しやすいからです。
真ん中にあると両足に均等に体重が載っているため、安定感がある代わりにすぐに動けません。このようなことから実際に計測してみると97%のひとが中央やや左寄りに重心線があります。

 このことの証左となるような事例をいくつか挙げてみましょう。
 まずトラック競技が皆同じ方向に回るのはこの人間の特性によるものです。実は1900年代初頭のオリンピックまでは時計回りの競技があったのですが、出場した選手たちから走りにくくてしょうがないとクレームがつき、それ以降のオリンピックでは現在のように走る方向が統一されました。いまやどこの競技会や運動会でも同じ左回りです。反対だと転倒したりして危険だからです。左を軸にして回るほうがヒトにとって自然で走りやすいのです。
 もうひとつ興味深いデータがあります。首都高速のカーブにおける事故発生率です。
右カーブと左カーブで明らかな有意差がありました。左カーブより右カーブのほうが事故が多いのです。クルマは四輪ですから一見関係なさそうですが、運転しているひとが右に軸を置きにくいためにこのような結果になったと思われます。

 この少し左に軸があるというのは臨床をしていても非常に重要なファクターになります。どうもこのことが身体の凝りを作る原因となり、骨盤の捻れにも繋がっているように思われるからです。
 骨盤はどちらかに傾くときにその構造上どうしても捻れて傾きます。わずかでも左に重心があるということは骨盤がそういう捻れを起こし易いわけです。
 土台が傾けば当然その上に載っている背骨も傾きます。傾くといっても真横に傾くのではなく、少し後に倒れるような捻れが加わった状態です。
 背中をよく観察すると背骨の左と右側でジグザグに凝りが存在していることに気がつきます。これは今言ったようなねじれた背骨を筋肉が支えるために活発に動いた結果の凝りと考えられます。
 このような状態で長時間同じ姿勢をとらざるを得ない仕事をしている人は背中に大変なストレスを感じているはずです。
 
 下半身が悪くても上半身が悪くても体は捻れ、そのために肩の動きや股関節の動きに痛みや障害が生まれる理由はここにあると僕は思っています。
 背骨は脳から伸びた神経の通り道も形成しています。その背骨の周辺に強い筋肉の緊張が生じれば当然からだ全体の動きは阻害され、運動器としての手足や内臓器にも影響が出るのは当たり前です。

 ですから、ひとの軸は限りなく中心に近いほうが身体の捻れも凝りも作らずに済みます。
 そのためにその軸を作りやすいからだになるように治療する。そしてその状態を維持できるようにストレッチなり筋トレをその人に合わせて指導する。これが医療としての鍼灸や整体などが果たす大切な役割だろうと僕は思います。

三勝はり灸接骨院HP : http://www.3show-hari9.com/



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