腹部の緊張が招いた腰痛


 木枯らしが吹き、秋から冬へと季節が移った途端に、患者さんの身体にも変化がみられるようになってきました。

 先週、ひどい腰痛を抱えた患者さんがいらっしゃいました。

 前の週に引っ越しの荷物を運んだそうです。それならばそういうこともあるかと思い、治療を始めましたが一向に良くならない。何をやっても効きません。

 万策尽きたのですがこのままお帰りになっていただくわけにもいきません。どうしたものかと思いながらお腹を擦ってみるとものすごく硬い。特にみぞおちの両側が滅茶苦茶硬くなっています。お臍のまわりも硬くしこっています。そこで小腸大腸をゆっくり動かすように、腹部全体に「船漕ぎ」と呼ばれる手技を加え、おなか全体をほぐしたところ、それまでの治療がようやく実を結んだのか、やっとベッドの上で寝返りが打てるようになりました。

 

 このみぞおちは、漢方では真ん中が心の、左側が胃や脾の、右側が胆や肝の領域と診ています。ただしここは横隔膜という息を吸うときに使う筋肉、逆に息を吐き出すときに使う腹斜筋という筋肉もつき、臓器だけでなく筋肉が硬くなりやすいところです。ご自分で触ってみても痛みを感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけで臓器が悪いということではありませんから、ご安心ください。反応が出やすい場所と思っておきましょう。

 

 おなかは基本お臍を中心に診ていきます。ここを中心に身体のエネルギーが集まってくるからですが、ここが硬いと腸全体の動きが鈍く、五臓六腑に影響します。

ですから、みぞおち周辺も大切ですが、まずはお臍をほぐすことが先決です。一般の人がほぐしたいときはここを時計回りに擦るか、ホカロンなどで温めてあげるといいと思います。

 この腰痛の患者さんもお臍の周りをほぐしたことで、身体のエネルギーが回り出したのでしょうか、「あ、急に腰が楽になった」とホッとした様子でお帰りになりました。

 

 他にも寒くなってきてから、一旦落ち着いていたはずの痛みがぶり返してきた足首の患者さんや、膝やヘルニアの患者さんなどなど、皆さんおなかを暖めたり、手技を加えてあげると動きも痛みも良くなりました。人の身体は季節に応じて治療も変えていかないと、痛いところだけで何ともならないときがあるのです。実に不可思議です。



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