今日来院された患者さん。
日曜日に子供の野球の練習に参加しボールを拾おうとして腰を傷めたそうです。
身体を捻ってもらっても痛みはないのですが、前かがみがほとんど出来ません。
横に倒すことは可能です。
背骨の上を一つ一つ押してみましたが痛みもないことからおそらく筋肉の問題だろうと推測しました。
仰向けの状態で下肢を持ち上げても大丈夫です。
しかし寝返りが打てない。
ここで骨盤の関節を緩める手技を行ってみました。
結果はあっという間に寝返りが打てるようになりました。
手技をやっているこちらも驚きますから、やられている本人もきっと驚かれていることでしょう。
骨盤の関節は全身の関節の動きに影響を与えていると言われています。
僕の臨床経験ではその逆もあると思っていますが、とにかく骨盤は診てみる必要があります。
今回のようなヘルニアでもなく、骨の問題でもない場合、
多くは筋肉の問題で痛みが出ているケースが多いのですが、
筋肉というのはどこからその緊張が出ているのかを捉えるのが難しい組織です。
今回は骨盤の関節にその原因があったということでしょう。
動くか動かないかほとんど分からない関節ですが、そのわずかな動きを手に感じ取って操作すると
本当に不思議なことが起きるのです。
これが分かるようになって僕は俄然と骨盤に興味が湧くようになりました。
骨盤は産後の女性だけの問題ではありません。
今回のような男性にも関係してくるわけです。
むしろ日常的に起きている問題と捉えたほうが的確です。
そんなに大事な問題が何故今まで問題視されなかったのか。
それは骨盤の異常のほとんどがレントゲンに写らない性質のものだからです。
「写らない」っていうと不思議に思われる方も多いと思います。
形がおかしくないなら異常ではないでしょう。と思われる方もいるかも。
今でも異論を唱える医療関係者はまさにそのような方たちです。
ですが、関節の運動機能から身体を診察すると写らないものが観えてくるんです。
発想の転換といってもいいかもしれません。
もしあなたが腰とか膝の痛みを訴えて病院に行ったとします。
そこでレントゲンを取ってもらいます。
しかし、それを観たドクターが
「骨に異常がないからあなたは痛くないはずだ。」
と言ったらどうします?
こういう場合、せいぜいシップでも張っておきなさいって言われるのが関の山です。
実は上のような例っていっぱいあるんです。
傷めてから10日間も立つこともできない患者さんで
レントゲンやMRIまで撮っても大した所見がなかったときもありました。
そのときは僕もドクターも一緒に当惑しました。
こういう経験をたくさんして関節運動学というものを学ぶきっかけができたのです。
不思議な骨盤を勉強するようになって不思議さは今もって増え続けています。
2020年6月以降、当院は完全予約制になっています。
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