上のイラストは骨盤を形成する骨と深層筋(インナーマッスル)です。
図に示されたSSIが腸骨の突起で、その中に挟まれるようにある骨が仙骨。
つまり仙腸関節はこの二つの骨が交わったところになります。
ですから左右に関節は存在します。
この二つの関節の動きにずれが生じると「骨盤がゆがむ」と表現するわけです。
あくまでも骨が歪むのではなく、動きがずれることに留意してください。
でも、「足の長さが違う」と言われた経験がある人多いと思います。
だから「骨盤が歪んでいる」イコール「骨が歪んでいる」になってしまうことになります。
こういう説明をする先生が非常に多いから一般人がそう信じても仕方ありません。
では、開くとか閉じるとかはどういう意味でしょうか。
良く耳にする骨盤が開く、閉じるという意味、実は良くわかりませんよね。
出産を経験された女性だとなんとなく開いたのかなあなんて思えるかもしれませんが、
出産を経験していない女性や絶対経験できない男性には関係ないのかというと、そうではありません。
これは最近身体のなかに数多く存在することが分かってきた体内時計と関係が深いようです。
女性も男性もある周期で身体が変化しています。
朝起きるときから寝ている時まで休みなく変化し続けるからだ。
そのからだをコントロールしている自律神経も実は周期的な働きをしています。
夕方から夜にかけて副交感神経が高まり眠くなります。
明け方からお昼にかけては交感神経が高まり動きたくなります。
このサイクルに合わせて骨盤も動きが変化するのです。
「閉じる」傾向のひとは交感神経優位なタイプ
「開く」傾向のひとは副交感神経優位なタイプ
これはひとをよく観察していると当たっている感じがします。
交感神経優位な人は活動的で細い人。
副交感神経優位な人は身体付きががっしりしていて筋肉質。
どっちがいいかという話ではなく、身体にとってはバランスが大事なのです。
一方に偏るのではなく、動きの良い関節が理想ということになります。
最後に左右差
左の動きが硬く、右はしっかり動く。
左が閉じていて、右が開いている。
動きに注目しているとほとんどの患者さんがこのように左右差があります。
これは骨盤が自律神経だけの作用で動く関節ではないことを証明しています。
体は筋肉で動いてます。
その筋肉は運動神経からの信号で動いています。
これらの作用により動きの左右差が生じるようになります。
まとめると骨盤のゆがみとは、
- 骨の問題ではなく動きの問題。
- 開く・閉じるには自律神経との深い関係がある。
- さらに筋肉の緊張などで動きに左右差が生じる。
ということになります。
少し付け加えておくと、高齢者のなかにはレントゲン上でも骨盤の歪みが確認されることがあります。
おもに仙骨が左右どちらかに傾いている状態です。
これは動きの問題が長年にわたって起きてきたことによる器質的な変化だと僕は推論しています。
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