あごの痛み 顎関節症

kansetu enban

 「顎が開きにくい。」「顎を開けるときに外れたようになる。」「顎を開くと音がする。」患者さんとのやり取りでよく聞く顎の症状です。

 顎の関節の中には、関節円板と言われるコラーゲン繊維のかたまりが骨と骨の間にあり、骨同士がぶつからずスムーズに動くような構造になっているのですが、この関節円板が関節の間に挟まったり、関節からズレてしまう時、音がしたり、開きにくくなったり、ガクッと外れるような動きになったりします。これが顎関節症の病態です。

 何故このような状態になるのか。これまでに多くの説が出されて様々なアプローチでこの顎関節症を治そうと試みられてきました。
 噛み合わせが悪いために関節に異常な負担がかかり、その結果関節円板がズレてしまうというのも説得力があります。
 夜寝ている間に歯を噛み締めてしまう人がいらっしゃいます。歯ぎしりもそうです。そうするとやはり顎に負担がかかり過ぎるために関節円板がズレてしまう。これもなるほどなと思います。
 横向きやうつぶせ寝をすることで顎にかかる負担は仰向けに比べて何倍もの圧がかかると指摘する先生もいらっしゃいます。これが顎関節症を引き起こす理由になるというのです。確かにこれもあるなと自分の体験からも頷ける説です。

 こうなってしまった時、私たちはいったいどうしたらいいのでしょう。
広く一般的に推奨されているのが顎のストレッチです。
 顎の関節は普段から上下に動くだけでなく、左右や前後にも動いています。それにより食べものを砕いたりすり潰したり出来るわけです。
 この時に使われている筋肉が固くなることで関節の動きに不具合が生じるので、その筋肉をほぐしましょうというのが顎のストレッチです。

 やり方はいたって簡単。顎を軽く開けた状態にすると関節が緩みます。
この状態から自分で顎を左右に動かしたり、前後に動かしたりを繰り返すだけです。
意識してやったことがない運動は実際にやってみると意外に難しいものです。
うまく動かせないときはご自分の手で軽く動かしてあげるといいでしょう。
無理は禁物です。ゆっくり焦らず根気よく行なってください。

 しかしこれだけで解決する人はそう多くないのも事実です。
 僕はこれまで20年以上臨床してきて、単純に顎だけの問題で顎関節症が引き起こされているようには思えなくなっています。
 若い人でも顎が動きにくいという人は結構いらっしゃいます。
そういう方たちを診察していると総じて首に問題を抱えている方が多い。
また、逆に首のコリを訴えて来院された方の顎を診ると結構の確率で関節が腫れています。
このことから僕は、顎は首の動きとセットで診るほうが良いのでは考えています。

 実は僕自身も10代の頃から顎の調子が悪くて悩んできました。
歯並びも良い方ではありません。上に列記したような説はすべて心当たりがあります。そこで自分なりにいろいろやってみましたが、僕自身に一番合っていたのは顎に直接何かをするよりも、首肩を中心とした顎周辺全体を診た施術でした。

 前にも書いているのでご記憶がある方もいらっしゃると思いますが、僕は子供の頃に首を痛める怪我をしています。そのために子供の頃からいろんな不具合を体験してきました。
まさか顎の不具合まで首とつながっているとは当初考えていませんでしたが、患者さんの治療を進めるうちに首の問題と顎の動きはほぼ間違いなく自分の体の中でもリンクしていることに気がつきました。
 顎を治すためには首を治すと仮説を立てて徹底的に自分の首の動きの改善に努めてみたところ、ようやく自分の顎の調子が良くなったのです。

 現在は首の動きだけでなく、背骨全体も視野に入れて観察しています。それでも患者さんによって足首までチェックしないとダメな人もいらっしゃいました。このへんが人の体の不思議なところで、まだまだ分からないことも正直あります。

 最後に顎や首肩のための自分でできる簡単だけどすごく楽になるストレッチをご紹介しましょう。

(1)壁から少し離れたところに、壁を背にして立ちます。
(2)左右どちらからでも良いので、振り向いて両手を壁にベッタリ付きます。
(3)この時、手の付く位置は顔よりやや上の壁のほうが肩甲骨周辺の筋肉を伸ばせます。
(4)ストレッチされている感覚が肩甲骨周りから首筋に来ていたら効いている証拠です。
(5)これを反対側も同じようにやってみます。首が悪い人は左右差があると思います。

 最初は振り向くこともきつい人がいるかもしれませんが、何回かやっていくうちに気持ちよく出来るようになりますので、あきらめずに頑張ってください。

 なぜ捻るのか、首から腰まで背骨を支えている奥深くに存在する筋肉はからだを回旋する時に動く筋肉なのです。ですから、体をねじることで奥深くに存在する筋肉まで動かすことができるのです。筋肉の付着部さえ分かっていれば、バリエーションはいくらでも作れるのですが、僕はこの方法でストレッチを繰り返し首肩の奥の筋肉をほぐし動きを良くしました。効果は自分の身体で実証済みです。あごの動き改善のためにもおすすめします。

 顎の問題で悩んでいる方、是非当院にご相談ください。


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