身体に問題があるけれど、その原因が身体のどこにあるのかを探るときにとっても便利なツボです。
反応している時のツボは押してみると、気持ち良かったり、痛かったりします。 痛みを感じるときはそのツボが熱を持っている時。気持ち良いときは逆に冷えている時。
だから、痛いときは優しく刺激してそこに溜まっている熱を外に逃がしてあげるようにします。気持ち良いときは熱を加えて力をつけてあげる気持ちでしっかり刺激してあげるといいでしょう。僕はいつもそうやって治療しています。
この「労宮」は熱が溜まりやすいツボです。熱が溜まるということは神経が高ぶって活動が活発になっているとも言えます。ですから肉体的にも精神的にも活動が高ぶると反応しやすいわけです。昔の人はこういう身体の反応点をいくつも見つけてツボとして後世に残してくれました。
例えば突然肩が凝ってきた、目がちかちかする、もしくは頭痛がするなんてときにも探ってみると意外に反応している時があります。左右にツボはありますから、両方探ってみましょう。痛い方が反応している側になります。不思議なのは左肩が張っても痛みは右に出ることがあります。ですから最初から決めてかからないで両方しっかり探ってください。
痛い方がわかったら、そちら側の肘の内側を押してみましょう。やっぱり少し痛い所があるはずです。ここが「労宮」の痛みを取ってくれるツボです。
「え、労宮を押すんじゃないの?」と不思議に思われた方も多いでしょう。そうなんです、これも先人の知恵で労宮はあくまでも指標にしてそこに刺激はしません。
ちなみに僕は何度もやってみましたが、確かに効果が薄いです。押して痛いので効いている感じはするのですが、労宮の痛みも症状も取れません。
ところが先人が教えてくれている肘の内側を丁寧に刺激してみると労宮の痛みも取れ、さらに症状が改善していることに気が付きます。
この肘の内側のツボを曲沢(きょくたく)と言います。「沢」は谷とか「低い」を指しますから、ツボの名前は曲がって凹むところというような意味になると思います。
「沢」には「水」の意味もあります。実は「労宮」の燃える熱をこの「水」を使って消すという意味合いも含まれている実に奥の深いツボ名です。
僕たち鍼灸師がこのツボに鍼をするときはミリ単位で位置を決めますが、指で刺激する時はもっと大雑把に手のひらを天井に向けたときの肘の内側半分で押してイタ気持ち良いところをツボと決めて大丈夫。そこは腱板と言って肘全体が腱で覆われているのでどこを押しても同じように反応してくれるからです。ただ、皮膚のすぐ下に骨が来ているので指先でぐりぐり押すのはよろしくないです。指をまっすぐに伸ばし指の腹で肘を横切るように擦るのが良いです。
先人によると肘の内側は呼吸器とも関係しているそうです。ここをしっかり緩めると呼吸が楽になるとされています。
確かに喘息のひとはここが張っていることが多いです。鍼をしてあげると「あぁ、呼吸が楽になった」と言われます。
これから暮れにかけて何かと忙しくなる季節。自宅に 帰ってきて「なんか疲れが取れないなあ」なんて思ったらこの「労宮」を探ってみてください。カラダが信号を送っていたら、上の要領で「曲沢」にツボ刺激した後に寝てみましょう。翌朝、心もカラダも熱が取れて気持ち良く目覚められると思いますよ。
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