今日は「治す」ということについて。
患者さんは怪我や体の不調、痛みを訴えて来院されます。
僕たち治療する側は、その訴えを伺いながら、まず症状の把握に努めます。
このときはなるべく他覚的所見(誰が見てもそうだとわかる検査結果)を揃える努力をします。
患者さんの訴えが身体中に散らばっているときは大変なのですが、その時も原因を考えながら、原因がひとつなのか、それ以上なのかを考えながら他覚的所見を取ります。
この診察が必要なのは、患者さんの痛みがどこから来ているものなのかをなるべく正確に判断することが「治す」ためには欠かせないからです。
また、所見を揃えることは誤診を防ぐことにもつながります。これには相当神経を使っています。ですから所見を取るということは患者さんの訴えを細かく分析する行為と思ってもらうとわかりやすいかもしれません。
この診察は治療するという意味ですごく重要で、ある意味「治す」行為よりも大切だと思っています。とにかく患者さんの訴えを丁寧に聞く(分析する)ことです。
こうして得た情報をもとに治療を始めるわけですが、ここからがまた難しいです。
患部(訴えのあるところ)だけを治療して治ってくれるならまだ良いのですが、そうならないときもあります。
痛いところは膝や腰なんだけれども、いざ治療してみたら結局首を治療して良くなった。なんてこともままあります。
また、首がつらいと来院されて、首の異常所見もあるのですが治療してみたら結局足首を治療して良くなった。なんてこともあります。
よくよく聞いてみると、「前々から首は良くなかった。」とか、「実は肩こりはもうあきらめていた。」とか、「慣れてなんとも思っていなかった。」「昔痛めたことはあるけど今は痛くない。」とかあるわけです。
これは、現時点で気になっているのは腰や膝なんだけれどもそれ以外のところが実は影響している場合もあるということです。こういう症例は枚挙に暇がないです。
ある患者さんなどは膝の痛みを取るために膝はもちろん腰も首も肩も足首もいじらなければならなかったケースもあります。
痛みがあるというのは本当につらいことなので、早く良くしてあげたい。
ですが、そのためには患部を精査し分析することが大切なのですが、それだけでは片手落ちで、それ以外の場所にも気を配り、時にはさらに時系列まで追って体を診なくては治せない時がある。
「治す」という行為はまさに「身体のオーバーホール」だと思うのです。
受診お申込み
2020年6月以降、当院は完全予約制になっています。
メールフォームよりお申込みいただいた後、折り返しのメールもしくは電話をお送りいたします。
混雑状況によっては、ご希望に添えないこともございます。何卒ご了承ください。
お電話でのご予約も承っています。TEL 042-387-5884 (診療時間外及び診療中でも留守番電話になることがあります。必ず折り返しご連絡致しますので、お名前と電話番号をメッセージに入れてください。)