朝晩の冷え込みが強まり、木々が色づく季節になりました。
気温が下がってくると、僕の身体も自然の移り変わりに反応して冬仕様になってきます。
どんな変化が起きているかというと、まず脈が夏に比べて遅くなってきています。
そのせいか、血圧が上がりやすくなります。血圧には年齢も影響するので、昔に比べるとやはり一年を通して高めです。(もちろん正常範囲で。)
東洋医学も脈を診るときは手首にある橈骨動脈を使います。ここで脈がどう感じるか施術者が判断するわけです。
季節によって脈の打ち方にも変化が現れてきます。
夏のうちは皮膚に近いところを打つように感じるのですが、秋、冬になってくるに従って徐々に奥で打つように感じるのです。
僕が超音波画像診断装置を使ってこの橈骨動脈を観察した限りでは画像でその変化を捉えられるものではありませんでした。
つまり本当に脈管の位置が変わるわけではなくて、皮膚などの上皮組織や結合組織、さらに血管を支えている筋組織など様々な組織が自律神経などの変化を受けて、指に伝わる感覚が奥で脈を感じるように変化するのだろうと僕は考えています。
夏のあいだは身体の熱を逃がしやすくするために汗腺が開いているのですが、冬になると熱を逃がさないように閉じています。こういう体の変化が脈にも現われるわけです。
こうやって脈だけみても、僕の身体は自然の変化に忠実に反応していることがわかります。これらはどれも異常ではなくて、身体の中で起きている自然の変化、つまり冬の現われ。実はこういうことがわかるようになったのも、一年を通じて患者さんを診させていただいている仕事のおかげです。
人の身体は季節ごとに変化している。このことがわかってくると施術者は患者さんの身体を通して季節を感じることが出来ます。
2月3日の節分。冬から春に変わるときです。その翌日2月4日は立春。うそのように聞こえるかもしれませんが、患者さんの脈も本当にその日に変わってきます。春先になると脈がそれまでより少し速く打つようになる。人の身体も冬のあいだに貯めた滋養を使って春に向けて活動を開始しているのです。
気温が急に上がるわけでもないのに、2月3日を過ぎると脈が速くなる。なんか不思議ですよね。「ああ、やっぱり春がくるんだなあ。」なんて患者さんの脈を診ながら感じ入っている次第です。
春から夏になると脈は少し強くなります。力強い感じといったほうが正確かもしれません。身体が活発になります。時期的には端午の節句あたりです。5月6日は立夏となっています。
夏から秋への変化は8月8日ごろ立秋を過ぎるあたりになるとなんとなく脈が落ち着きを取り戻してきます。気温はまだまだ高いのですが、皮膚表面を強く打つような脈だったものが穏やかになるのです。
そして11月8日過ぎ(今年は7日でした)立冬を迎えるとやっぱり脈は少し深いところにもどってゆっくりになります。
昔の人はこういうことをちゃんと知って暦を作っていた。感心するばかりです。
僕自身の話しに戻ると、この脈の変化するときはなんとなく体調も変です。20代30代のころと比べると、いまの僕の脈はちょっと細い感じ。そのせいか脈に力が出てくる夏の5月くらいから8月くらいまでが調子がいい。寒い冬は嫌いになりました。
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