先週はからだの重心軸がどこにあるかというお話しでした。
今週からはその軸を作る体の神秘をまず土台となる足首のお話しから始めたいと思います。
実は臨床していると、患者さんの訴えているからだの症状が足首をいじってあげたら取れた、なんてことが結構あるんです。
普通に考えたらありえないようなことなのですが、人の体は人智を超えたようなところがあり、最近は関節運動学という分野で体の関節は全身でつながっていることが証明されつつあります。
足首がどんな風に自分の体のなかで働いているのかを知っていただくととっても面白いので、どうぞお付き合いください。
まず、その構造がすごい。
家の柱や木材を組むとき、「ほぞ」と呼ばれる突起を「ほぞ穴」と呼称される穴に通します。凸と凹を組み合わせて、重量物を支えて揺れに強い構造物にすることができるわけです。
足首も全く同じ構造になっています。
凸の部分を距骨といいます。足首の真ん中に位置する骨です。
凹の部分が外果内果です。
つまり、外果内果を結んだ線の中央に体重が掛かるように人の体は出来ているわけです。
ここの関節がずれて動きが悪くなるとどうも人は調子が良くないらしいのです。
最初にあげた臨床の話もここの動きを戻してあげたら体の症状が取れたのです。
この外果内果周りにはいわゆるツボがいっぱいあります。しかも要穴と呼ばれる体の症状を改善する重要なツボが集まっています。昔の人の叡智は本当にすごいです。
実は、足首にはもう一箇所同じ構造になっているところがあります。
足の甲、ほぼ中央やや右寄りの一番甲高になるところです。
やはり、ここにも体重がかかりやすいということなのでしょう。ランニングで走り過ぎたり、硬い靴を履いて歩いたりしてよくここを傷めて患者さんがいらっしゃいます。
また、全身の症状に効くとされているツボもこの位置にあります。「太衝」です。
ある針灸の大家はどんな患者さんにもいつもこのツボを使ったと言われています。
もちろん、このツボも要穴中の要穴です。気持ちのムラをなくし気分をよくして、血流を改善し足のむくみをとって脚やせさせるツボというとわかりやすいでしょうか。つぼの位置さえ間違わなければ、自分で押しても効果があります。
最後にもう一つ足首で面白いことは、足首の動きが硬い人は膝も股関節も動きが硬い。股関節や膝の痛みを訴えていらっしゃる患者さんは例外なく足首が硬い。だから僕は上にあげたような足首の箇所を必ずチェックします。急がば回れとはよく言ったもので、そのほうが早く良く治るのです。
次回はこの足首を支えてくれているふくらはぎの筋肉にまつわる不思議なお話しと足首のストレッチについてお話します。
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