最近、運動器の世界では皮膚の動きに注目が集まっています。
ストレッチしてもなかなか柔らかくならない。一生懸命伸ばしたのに翌朝になると元のように硬くなっている。こういう人はもしかすると皮膚の動きが悪くなっているのかもしれないのです。
今日はそんな浅くて深い皮膚と関節の動きについてお話します。
どなたも伸び縮みしない素材のジーパンを履いたり、スーツを着たら手足が動かし難いという経験をしたことがあると思います。
実はこれに似たことが皮膚と筋肉の間でも起きていることが最近分かってきました。
皮膚も運動しているときに筋肉の上を滑走していることがわかってきたのです。
たとえば、腕を挙げるという動作。
伸びている側の脇の下には皮膚が足りなくならないように皮膚が集まってきます。
逆に腕の付け根、肩関節の上の皮膚はたるみ、しわが形成されています。この場合、皮膚は余るので、肩関節を中心に手の先と首の付け根に向かって二方向に広がっていきます。
この皮膚の動きがスムーズなら関節の動きは問題ないのですが、これがうまく動かないと肩は動かなくなります。
実際、五十肩の方の皮膚は肩の動きに対して突っ張ってしまいうまく動いていません。それを今書いた通りに擦って挙げると肩のあがり方が変わります。
手や足の指先ではこの傾向はもっと顕著になります。皮膚のすぐ下に指先を動かす腱が来ているため、皮膚と腱の間にある両者の動きがすぐに擦れ合ってしまうからです。
皮膚は私たちの身体を包む大切な組織です。
細かく分類すると皮膚は表面から上皮と真皮に分けられ、さらにその下に4層構造の結合組織で構成されています。
この結合組織が真皮と筋組織の間の緩衝材となって両者の動きを助けています。
ところがカラダの動きの悪いところは、この仕組みが上手く働いていない。
筋肉が伸びようとしているのに皮膚が引っかかる感じです。
ですから、その身体の動きに合わせて皮膚を動かしてあげると身体は不思議と動くようになります。
実は、臨床していると骨や靱帯、筋肉の問題だけで動きが悪いというのでは説明がつかない症例が数多くあります。何か別の要因が痛みを作っている。それを見つけ出さないと治せない。この皮膚の動きに注目したのにはそんな経緯があります。
当院では今いらしている患者さんにこの皮膚の動きを助ける施術を行っています。これは動きの悪くなってしまった五十肩のような関節にはもちろん、首の痛みや肩こり、腰痛、膝の痛みにも効果があります。ストレッチにも応用できます。
浅くて薄い組織がとっても奥深い役割を担っている。面白いですね。
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