指先にあるツボを総称して「井穴(セイケツ)」といいます。これはそこから気が湧き出てくるという意味だそうです。
「気が湧き出てくる」と表現するといかにも東洋医学的な感じがしますが、どうも洋の東西を問わず人は指先に不思議な力を感じているようです。
日本に手術を主体とした整形外科と手技を主体とした接骨院が存在するように、アメリカにも先日ダルビッシュ投手が受けたトミー・ジョン手術などをする整形外科とやはり手技を主体としたオステオパシーがあります。
オステオパシーの「オステオ」が「骨」を意味するところから整骨医などと日本語訳されることが多いですが、実際日本の接骨院とよく似ていて手技を使って筋肉や関節の痛みを改善していく治療を行っています。
オステオパシーの発祥は意外に古く、1874年に遡るようです。
映画のワンシーンですが、俳優トム・クルーズ扮する整形外科医が劇中で患者とする会話のなかにもこのオステオパシーの話しが出てきます。
会話の内容から患者さんはテニス肘を患っていたようなのですが、主治医であるトムが紹介してくれたオステオパスに治療してもらったらすっかり良くなったと喜びます。
するとトムが「彼はとっても腕がいいんだ」と受け答えるのです。
アメリカでも手技を大事にしている文化があることが伝わってきます。
手技によるマッサージがなぜ気持ちいいのか。
いろいろな意見があるのですが、僕は先ほど挙げたように手には揉むとか握るという動き以外の不思議な力があるからなのではないかと思います。
手を当てているだけでも不思議と痛みが引いてくる気がするのは単に気のせいだけでもないと思います。
西洋医学はそういうことに懐疑的ですが、ベテランの先生の触診は内科医だろうと整形外科医であろうとやっぱり気持ちいい。そういうベテランの先生の診察技術が継承されないのは本当にもったいないなと思います。
何が指先から出ているのかは僕も良くわかりません。
ただ中国の古い記述を読むと面白いことが書かれています。
人間は飲食と単なる呼吸だけで生きているのではなく、自然界や宇宙からのエネルギーを取り込んで生きているのだというのです。
飲食よりもこっちのほうが大切だとも書かれています。
そういったエネルギーはその人の持っているものや生き方と交じり合って「味」となり、手から相手に伝わっていくのかもしれません。
当院はこれまでもこれからも手の持っている力とぬくもりを大切に診察していきたいと思っています。
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