今回は若い人、特に成長期に見られる膝の疾患オスグット病のお話しです。
正式にはオスグット・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)と呼ばれるこの疾患は成長期の骨にみられる病変です。よく成長痛と混同されますが、成長痛は骨など器質的な病変がない夜間疼痛を指しており、厳密にはオスグット病とはまったく違います。
もうひとつ、よく似ているために鑑別を必要とする疾患がジャンパーズニーです。
ジャンパーズニーとは、膝蓋靭帯と呼ばれる腱の炎症です。骨の病変はありません。
しかしこれも膝の下、オスグット病と同じところに痛みが出て来る場合があるので間違いやすいです。
この二つを鑑別するためには画像検査が必須です。初期のオスグット病は触診だけでは正確に区別できません。
今日の患者さんは14歳。男性。野球をした後に強い痛みを覚えて来院されました。
膝下の膝蓋靭帯付着部に強い痛みを訴えています。触診では熱感も腫れもさほどではないのですが、念のため画像を撮ってみたところ骨に病変が現れていました。
骨の痛みは腱の痛みと治療方法がまったくと言っていいほど違ってきます。腱や筋組織に効果的な治療がほとんど効かないのです。
この男の子も、最初の2,3回はまったくどの治療も効きませんでした。お手上げです。
最初に効果が現れたのは痛みの反対側、つまり健側(この子の場合は右膝が痛いので左膝)にしたお灸でした。右膝の痛みの場所を厳密に探り、左膝でそことまったく同じ場所にお灸をするのです。この治療を初めて受ける患者さんは大抵僕が場所を間違えたと勘違いします。
これは脊髄反射を利用した治療法です。背骨の中から出てきた神経は左右同じ場所に同じ神経が分布しています。痛みが強いところは神経が興奮しているので、その興奮している神経の反対側に刺激をするとそちらの神経が興奮してきて、先に興奮していた患側が落ち着くというカラダの法則があるのです。このことは昔から知られていたようで、このような治療を「巨刺(こし)」と言います。
しかし、この治療でも完全に痛みを取るに至りませんでした。
今はAKAという骨盤調整が効いています。「骨盤調整」ってなんだろうと思う人もいらっしゃるかもしれませんが、うちで行っているものはAKA博多法といいまして、毎年2000人規模の学会が行われているものです。
こうやって少しづつ痛みを取り除き、骨の変形を最小限に抑えてあげると痛みはほぼ再発しません。
この子もそうですが、子供たちはみんな自分がしているスポーツが大好きで、ある意味必死にスポーツをしています。そういう思いを受け止めてあげるためにはこちらも真摯に治療しなくては失礼だと思っています。
怪我した理由も一緒に考えてあげて、どうしたらそうならないようになるかも相談する。
接骨院はそういうところだと思っていますし、そうでありたいと思っています。
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