当院では肉離れの患者さんに対して、超音波を使った画像診断を行い、その病態に合わせて適切な処置を行うように勤めています。
今日はその一例をご紹介しましょう。
患者さんは46歳男性。剣道をしていて踏み込んだ際に下腿部内側に痛みを感じて来院されました。
上の画像は受傷2日目、来院直後の画像です。
外観からもかなり腫れが強いことがわかりますが、中を観てみると縦18センチ幅2センチほどのかなり大きな断裂部が確認されました。
右の画像が超音波画像です。リアルタイムにすぐにしかも細かく確認できるところが最大のメリットになります。
画像の真ん中に黒い帯状のものが写っていますが、ここには筋腱が切れたことにより大量の血が溜まっています。
この血の塊は時間の経過とともに硬くなってしまうので、なるべく早くに除去することが望ましいです。(遅くとも2週間前後)
そうしないとそのままの形で体内に残ってしまい、最終的には骨のような硬い異物となって痛みの原因となってしまいます。
これまでの研究で切れた筋繊維は寄せておけば自然と付くのですが、血腫などで離れてしまっていると自然修復は望めないこともわかっています。
ですから、肉離れの治療では出来るだけ血腫を取り除き、筋繊維を寄せておくことがポイントとなります。
当院では断裂した筋肉と部位からこの患者さんの固定方法を決定しました。
すると、2週間後には、見事に血の塊が消えて綺麗に筋繊維が修復され、断端が接合していることを確認出来ました。
超音波画像は外からではうかがい知れないカラダの情報をリアルに知ることができます。
ですから、うちではこれ無くして診察は怖くて出来ないほどです。
これからの怪我はエコー画像検査が必須です。
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