前回は小胸筋という胸の筋肉の緊張を取ることで肩の位置異常を改善する方法をご紹介しました。
肩は体の前面についている筋肉と背面についている筋肉のバランスで体幹部に位置しています。
つまり胸側の筋肉が傷むときは必ずと言ってよいほど背中側の筋肉にもなんらかのストレスが加わることになります。
たとえばボールを投げる、ラケットを使って肩を回す、などのスポーツをしている場合は肩の後ろと前に圧縮ストレスと伸張ストレスが加わるために両側ともに同時に傷めることになります。
そこで、今日は前回の胸の筋肉運動とペアで行うと効果的な背面の筋肉運動をご紹介したいと思います。
肩をあげて腕を後ろに引く動作では胸の筋肉は腕の付け根を中心に引き伸ばされます。このことを「伸張ストレス」と呼びます。
それに対して、背中側の筋肉は腕の付け根に向かって縮むため、「圧縮ストレス」と呼びます。
逆に腕を前習えのように前方に突き出す動作では、胸の筋肉は腕の付け根方向へ圧縮され、背中側は伸ばされるようになります。
このときに背中側の筋肉で一番ストレスを受けているのが小円筋、大円筋、上腕三頭筋なります。
この小さな筋肉が傷んで硬くなると肩甲骨と腕の骨(上腕骨)の動きもかたくなります。
ここの筋肉の硬さを自分で簡単にチェックしてみましょう。
脇の下に写真のように手を入れて肩甲骨の動きを制限します。
その上で、押さえた側の腕を外に開いていきます。動きが硬くなっていると腕が耳まで上がらないか、もしくは上がり難くなります。左右で比べてみるとその違いがよくわかるので、必ず両方ともやってみてください。
この筋肉の硬さをチェックしてから、いよいよこの筋肉を緩める運動を開始します。
やり方はまず下の写真のように脇の下に手を入れながら肩を90度挙げて、肘を直角に曲げます。
この状態から肘を中心に前腕を上方に90度回転させます。
その際、脇の下に入れている手で肩甲骨についている筋肉を胸のほうへ引きます。
この動作を何回が繰り返してください。
この腕の動きは脇の下の肩甲骨に付いている筋肉が縮むことで行われる運動です。
ここが硬くなっている人はこの動きがすごくやり辛くなっています。いわゆる五十肩のひとでほとんど動かせなかった人も大勢いらっしゃいます。そういう人はちょっとだけで充分なので肘から下の腕が動く範囲でやってみてください。無理は禁物です。
脇に入れた手を手前に引くのはこの硬くなった筋肉の動きを助けてあげるためです。
こういう運動を自動介助運動といいます。
何度か繰り返した後にもう一度可動域をチェックします。
脇に入れた手で肩甲骨の動きを押さえながら腕を外に開きながら耳に近づけてみましょう。
最初にやったときより上がっていたら成功です。
不思議なのは前回のときもそうですが、こうやって筋肉が緩んでくると首の緊張も取れてくることです。僕の右肩は首にとってかなりの重荷になっているようですね。(笑い)
実際、肩は首だけでなく、腰や股関節にも大きな影響を与えています。肩を緩めると腰や股関節の痛みが取れる人は本当に多いです。
是非、皆さんもご自分の体のゆがみをチェックしてみてください。
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