最近、患者さんとの会話でリハビリのときのストレッチについてよく聞かれるので、
ケガ予防も含めてストレッチについてまとめてみたいと思います。
そもそもからだが硬い人と柔らかい人の違いは何でしょうか。
その秘密は腱の硬さにあります。
筋肉の先に腱という組織があり、その腱の先に関節があります。
関節を他動的(他人の力で)に動かしたときに伸ばされるところは腱です。
この腱が硬く伸びにくいと関節は硬い動きとなります。
逆に腱が柔らかく伸びやすいと関節は柔らかく動きます。
ここに体の硬さに個人差が生まれる理由があります。
腱が硬く伸びにくい人でも柔軟性は必要です。ではどういったストレッチが効くのでしょうか。
腱が柔らかい人は持続的なストレッチ(ゆっくりとヨガのような動きで伸ばしていく方法)でより伸ばしやすくなることがこれまでの検査で分かっています。
ところが、腱が硬い人は柔らかい人ほど腱の長さに変化が現れなかったのです。
でも続ければ伸びてきます。どこが伸びたのかというと筋線維だったのです。
このことから身体が硬い人は筋線維にアプローチするストレッチが有効だとわかってきました。これまでの実験で筋線維を伸ばすためには、持続的なストレッチよりも反復的なストレッチのほうが効果的でした。つまり腱が硬いために身体が硬くなっている人はリズミカルに動かすストレッチングを取り入れたほうが良いというわけです。
これとは逆に腱が柔らかい人はゆっくりとヨガのようにポーズを決めて行うストレッチのほうが、腱が伸びるので気持ち良くなるわけです。
からだの柔軟性は個人差があるために人と比較する意味はありません。
ですが、ケガ予防やパフォーマンス向上、そして健康増進のためにストレッチングは非常に重要です。
ぜひ、皆様もご自分に合ったストレッチングを生活に取り入れて楽しい生活を送ってください。
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