40歳男性、腰の痛みを訴えて来院されました。
発症当初は痛みがひどく座っているのもつらかったそうですが、今は自転車に乗っての移動中、もしくは歩行中に痛くなってくるとのことです。
レントゲン検査の結果は骨の異常ナシとのことでした。
徒手検査所見でも、椎間板ヘルニアを示すようなものはないのですが、左臀部の下方に位置する坐骨結節周辺に硬結と圧痛がありました。いわゆる坐骨神経痛様の痛みです。
この位置に存在する筋肉は頭に近い方から大腿方形筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭、半腱様筋です。
これらは殿筋に分類される大腿方形筋以外はすべて腿の筋肉(腿の後面につく筋肉を総称してハムストリングスと言います)です。
歩行でも自転車でも使いますから、その付着部周辺が痛くなることは十分に考えられます。
こういう疾患を特に「ハムストリング付着部炎」と言います。
一般的には運動などで傷めるケースが多いですが、この男性のように原因がよくわからない場合もあります。
筋肉が骨に付着するところは違う組織同士がつながっているため、普段の生活で微細な損傷や断裂が起き、次第に炎症が強くなると痛みがひどくなるわけです。
聞き慣れない疾患名なのは、レントゲン検査やMRIなどで引っかからないからです。
前にもお話ししましたが、こういった画像所見が得られない非特異性腰痛は腰痛全体の80%を占めると言われています。
治療は患部そのものを狙いますが、場合によって身体の他の場所を探る必要もあります。
この男性も患部そのものを狙った治療ではほとんど反応しませんでしたが、からだ全体を診て治療したところ、付着部の痛みが和らぎました。
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