横隔膜を使った呼吸には、一つ面白い事実があります。意識的に横隔膜を動かして腹式呼吸を行うと息は無意識に鼻から吸うようになります。
口を開けて息を吸うとほとんどの人が胸式呼吸になります。これは胸式呼吸が後天的に獲得した呼吸だからです。別名「強制呼吸」とも呼ばれ、息苦しいときに首肩の力を使って口を開け、息を吸い込むわけです。運動しているときもこの呼吸です。
新生児の呼吸を見るとみな横隔膜を動かして鼻から吸い込んでいます。いわゆる腹式呼吸です。ですから安静時の呼吸は、本来横隔膜と鼻を使った呼吸なのです。
現代人は口呼吸している人が多いと言われています。これはつまり胸式呼吸か頸肩呼吸をしている人が多いことの現れです。これを続けていると首肩が凝りやすい。なぜなら、胸式も首肩呼吸も首肩まわりの筋肉を使って息を吸い込んでいるからです(どこの筋肉かは前回のブログを参照)。これを横隔膜を使って肺を広げる呼吸に変えれば、当然ですが首肩の筋肉は使われずに済みます。つまり肩の凝りにくい呼吸になるわけです。
呼吸は1日に2万回行われていると言われています。1分間におよそ15回繰り返されるので、それに60を掛けると1時間に900回。これに24を掛けると1日に21600回になる計算です。さらに1か月ならこれの30倍ですから60万回を突破し、648,000回となります。「呼吸なんかで肩が凝るわけない」と侮れない回数です。
こう言うことを書いている僕も実はずっと口呼吸でした。仕事で患者さんにマッサージや鍼をしていると夢中になって呼吸を忘れてしまいます。気がつくと首肩で行う非常に浅い呼吸になっていたのです。そんなことを何年も続けていたら、40過ぎた頃から徐々に体調が悪くなった。こんなことをしていたらあと何年も働けないなって正直不安に思いました。ですからこの横隔膜のことは僕自身にとっても他人ごとではない問題だったのです。
皆さんも僕と一緒に横隔膜を使って楽に呼吸して、楽に行きましょう。
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