腰と大腿の痛みを訴えていらした患者さん。
既に病院で椎間板ヘルニアと診断されて、手術することを勧められています。
しかしご本人、手術は受けたくないと当院にいらっしゃいました。
最初は歩くのもベッドでの寝返りもままなりませんでした。
身体を診察していくと右殿部が物凄く硬くなっている。中殿筋という筋肉は身体を支える役割を果たしており、硬くなることで有名です。とにかく最初はここをターゲットに治療していくことに決めました。
治療を重ねる度に徐々に寝返りが痛みなく出来るまでに回復していたのですが、今日になって様子が急変しました。先週より明らかに脚を引きずりながら診察室に入って来られて、昨夜右腿の付け根をつねられたような痛みが走って目が覚めたと言います。
ベッドの上で再度ヘルニアの検査を行いましたが、ひどくなっている様子はありません。
「?」と思いながらいつものように治療を進めてみましたが、腰や殿部は柔らかくなっているのに、腿の付け根の痛みが取れない。ベッドから起き上がろうと右脚に力を入れると激痛が走ります。
ふと思いついて右膝裏の筋肉を触ってみました。膝窩筋(しつかきん)という筋肉です。「窩」とは裏という意味なので、そのまんまの筋肉名。小さな筋肉ですが、とても大事な仕事をしています。テレビや映画で主役を引き立てる名脇役みたいな、「あの人がいると締まるよね」的な存在です。ただ、この筋肉の動きが悪くなると腿の筋肉にも膝下の筋肉にも影響することがわかっています。ここが滅茶苦茶硬くなっていました。
そこで早速膝窩筋を緩めたところ、さっきまでの起き上がり動作の痛みがなくなり、さらには歩行も脚を引きずらなくなりました。
押して痛みを感じる膝裏の場所ですが、真裏の皮膚に出来たスジから指幅3本ほど下方で、真ん中よりやや内側になります。写真もアップしますので、ぜひみなさんもご自分の膝窩筋を確認してみてください。ここが硬くなると膝が伸びなくなります。逆にここを緩めると脚が軽くなるし、なんだかゆったりして眠くなります。とっても不思議な筋肉です。
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