10歳の男の子が、今年の4月中旬、走っているときに急に股関節が痛くなって以来、腰にも痛みが出るようになり、当院に先日受診してきました。
あちこちの病院でいろいろ調べてもらった結果、レントゲンでは異常が見られなかったものの、MRIで一番下の腰椎の関節部分に異常が発見されました。右腰仙関節部の骨挫傷だったようです。
僕もその画像を見せていただきましたが、その関節部分は骨の損傷もさることながら、筋肉にも相当のダメージが見られます。徒手検査でも全ての検査でかなり強い痛みが再現されてしまいました。
「さてこの子をどう治療するか。」僕が取った治療方法は、首の後ろにあった圧痛部にガラスのカップをつけて吸い付ける「吸角(きゅうかく)療法」でした。
何故首なのかというと、腰も首も背骨の一部であること、腰以外ではここに一番強い圧痛があったこと、MRIで損傷を確認していた筋肉は首まで繋がっていることなどがその理由です。
「果たして結果は?」翌日来院した際に伺うと、なんと昨日から今日まで痛みがほとんどなかったそうです。
さっそく僕は前日の検査をやってみました。
確かに痛がりません。患部も、最初は優しく、でも痛がらないので昨日よりももっと強く押してみましたが、やはり大丈夫でした。
発症してから今日まで約1か月間も痛みを抱えていたわけなので、この結果にお母さんはすでに半分涙目になっていました。そして僕もびっくりです。
これで治ったかどうかはまだ定かではありません。今後症状が再発しないかを慎重にみながら、骨の発育を損なわないようにリハビリが出来ればと思っています。
このように子どもの腰痛には劇症が多いのです。
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