素敵な落語の世界

 またまた面白い落語に出会ってきました。

 三鷹の芸術センターで行われた「柳家喬太郎三鷹勉強会」。

 ブログで書くことが思い浮かばないくらい面白かったです。

 この僕の感動をどう表現したらいいものか、本当に困りますが、

 国技館で生の相撲を観たときの興奮と、

 東京ドームでジャイアンツが勝利したときの喜びと、

 面白い本に出会って、本の世界に引き込まれているときの興奮が、

 織り交ざったような陽の世界で、知的で精神的な興奮と呼べばいいのでしょうか、

 なんとも気持ち良い幸福感に包まれて帰ってきました。

 
 僕なりの分析ですが、

 基本的に落語の世界は、悪い奴がいません。

 嫌な人が出てきても、必ずぎゃふんとやられてしまいます。

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 今回の演目に「さじ加減」というのがありましたが、

 ここにも茶屋の加納屋というちょっと悪知恵の働くひとが出てきます。

 この人物は、ちょっと機転を利かせて、大金をひとり占めに。

 そういう人だから、さらにチャンスがあると

 また人を出し抜いて、金儲けを企みますが、

 今度はお奉行の粋なお沙汰によってその計画はとん挫。

 さらに、悪いことが通る道理もなく、

 最初に人をだまして奪ったお金まで巻き上げられてしまう顛末。

 巻き上げられるときも、損したような得したような。

 加納屋さんにしても、滅茶苦茶ずるいわけじゃない。

 だから聞いていて、すごく気持ちがいいわけです。

 もうひとつ、落語の魅力。

 これはもう落語家さんの力量によるところ大なのですが、

 登場人物が本当に生き生きとしています。

 うまい噺家さんほど、それが顕著。

 喬太郎さんの女将さんの表情なんかは、もう天下一品!

 その表情を観ただけで、「今日は来て良かったぁ」って心から思えます。
 
 語りつくせない落語の魅力を知ってもらうには、やっぱり現場に行ってもらうしかないですね。


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