僕は身体がめちゃめちゃ硬いです。
仰向けでベッドに横になり、足を持ち上げられたとき股関節は正常なら90°は上がるはずですが、僕はそこまで上がったことがありません。
今日、腰の痛みを訴えて来院された患者さんもそんな一人でした。
ほとんど左右差もなく、いいとこ30°位しか上がりません。
ヘルニアのような下肢症状や根症状はなく、椎間関節に負担のかける動作で痛みが出ています。
その他の所見と受傷機転から腰椎の椎間関節捻挫と判断し治療しました。
本人に伺っても昔からだそうで、今回の痛みを契機に足が上がらなくなったようではありません。
この身体の硬さ、ちょっと前までは運動能力と密接な関係があると指摘されていました。
足の速さ競うスプリント系は身体の柔らかい人が有利。
だから身体の固い人は長距離にしたほうがいいという説です。
ところが2,3年前の研究でこの説を裏付けていたデータを覆す事実が現れました。
日本人の身体を調べているうちは上の説通りだったのですが、世界のトップアスリートを調べてみると、
日本人トップの選手の2,5倍も身体が硬いことが判明したのです。
そして新たな事実も分かりました。
身体の硬さを規定する腱の硬さは筋肉量に比例するというものです。
筋力がある人は腱を引く力が強く、そのため腱は自然に硬くなるというのです。
そう言われてみれば、男女差は歴然としていますよね。
女性のほうが男性より圧倒的に身体は柔らかいです。
女性は女性ホルモンの作用により筋肉が付き難い体だからです。
つまり身体の硬さは運動能力と何の因果関係はないことが分かったのです。
身体が硬いことでコンプレックスを長年抱えていた僕には非常に朗報でした。
では運動能力は何で規定されるのか。
筋肉の収縮と腱の伸張、さらにその腱の収縮のタイミングがうまいひとが能力が高いということになるようです。
つまり、動作のタイミングを上手に取れるように神経系統を動かす能力が高い人が運動能力に長けるわけです。
骨盤の関節(仙腸関節)の動きは股関節の動きを借りて知ることが出来ます。
先ほどの仰向けで足を上げる検査もそのひとつです。
これが固い人は骨盤の動きが悪いのは事実です。
骨盤の関節は非常に個人差があり、形状がまちまちなことも分かっています。
そのため関節面が広い人などは動きが非常に狭い可能性があります。
すると股関節の動きも硬くなるため足が上がりにくい状態になります。
ですから、生まれつき身体が硬い人っているんだと思います。
うちでは固い人にこのように説明して治療とストレッチを指導しています。
硬いのはその人の特徴であって、決してマイナス要因ではないこと。
むしろ筋力があるわけですから、それを生かしたプレーをすれば良い訳です。
ただし、骨盤が硬いのはやはりケガがしやすい状態になりますから、ここはしっかりほぐすようにします。
100人に100通りの骨盤の形状があることを認識して、その人にあったスポーツのプレースタイルや生活習慣を身につけましょう。
そうすればどんなひとでも運動を楽しめるし、上手になれるはずです。
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