わずか2週間前はようやく暖かい日がふえて来ましたなんてここで言っていたのですが、昨日の昼などは往診に伺うにも上着なんて着ていられないくらいの陽気でした。本当に季節の移り変わりはあっという間です。
春になり暖かい日差しを浴びると外に出て日向ぼっこしながら転寝なんて気分になりますが、このほど国の指針として年齢に合わせた適正な睡眠時間(2014年度版)というのが発表されました。
表にまとめますと以下のようになっています。
年代 | 適切な睡眠時間 |
10代前半まで |
8時間以上
|
25歳 | 7時間 |
45歳 | 6時間半 |
65歳 | 6時間 |
年齢が高くなるにつれて睡眠時間が短くなっていますが、国とは別に東京都の老人総合研究所の調査によると65歳以上で長時間睡眠をとっていると認知症になりやすいというデータがあります。
僕はこの表を見たときに「ははあ、厚生労働省は睡眠時間を量より質が大切などともっともらしいことを言っているけれど、本当はこのことを狙っているな」と思いました。つまり、これからもますます増える65歳以上の高齢者対策です。
僕自身も現在53歳。しっかり老眼です。認知症という言葉も若い人よりは反応しやすくなっています。
今年の初めに受けてきた介護予防運動指導員の講習では認知症についても講義を受けてきました。
認知症にはアルツハイマー型や血管性認知症というタイプが多いのですが、これ以外に認知症ではないものの正常でもないとされる軽度認知障害(MCI)というのがあります。
- 複数のことを同時に処理する能力『注意分割機能』
- 昨日の夕食に何を食べたのかを思い出す能力『エピソード記憶』
- 人との待ち合わせ時刻に間に合うようにスケジュールを立てる能力『計画力(思考力)』
この3つの認知機能が低下してきたら認知症に移行しやすいと言われているのです。
自分はまだどれも大丈夫と思いたいですが、最近いろんなことをスケジュール通りにこなすのがしんどいなあと思う日が増えていることを思い出してドキッとしました。
「イカン、イカン、ちゃんと計画的にやらなくちゃ」と思い直すのですが、またよくよく考えると「もしかしたら若い頃からそういうの苦手だったかなあ」なんて考えるといったい僕はいつから軽度認知障害だったのだろうとわけがわからなくなります。
認知症の発症に影響を及ぼす要因として実は運動不足や知的活動の低下が挙げられています。よく運動する人、よく本などを読む人とくらべるとそうでない人は身体機能の低下とともに活動量が減り相対的に横になって寝ている時間が増えてしまうのかもしれません。
こういうところから睡眠時間が多い人は睡眠の質も下がり認知症になりやすいと言われています。
「春眠暁をおぼえず」の諺ではありませんが春は眠たくなる季節です。寒さが去ってうれしい気分になったこの時期にこんな微妙な発表をする厚労省は少し意地悪なような気もしますが、僕の深読みかもしれません。
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