去年受験した国際中医師免許。ようやく先月2月28日に授与式を迎えて、無事免許証をいただきました。
合格通知は去年の9月頃にいただいていたのですが、賞状をいただくまでは半信半疑。
何しろ本当に自信がなかった。
去年はなぜか資格試験が3つも重なり、一つ一つをこなすのに精一杯で、7月に受けたこの試験は明らかに準備不足。回りの先生たちに圧倒されながら何とかついて行ったというところが本音です。
「国際中医師」ってそもそも何?って話しなんですが、賞状に書かれている英文を訳すと「世界中医学学会が認定したA級試験に合格した人」となっています。
主に漢方薬を処方するときにどうやって薬を選ぶかを中医学的に考える能力を有するものと解釈していただければと思います。
日本と中国では漢方薬に対する考え方も生薬を合わせた方剤(たとえば葛根湯も方剤名のひとつです)の仕方も少し違うのです。
これまでの日本のやり方を和漢方と呼び、中国的なものを中医学と呼びます。
日本のやり方も非常に優れた方法で、日本人の僕としてはこれで十分と思うのですが、別な診方を知ることは患者さんを多方面から診る目を持つことになり、それはそれで非常に有益です。
どちらが優れているかという議論に意味はありません。どちらもすばらしい。だから勉強する意味があるのです。
日本の漢方のいいところはひとつの生薬、ひとつの方剤を突き詰めて高いレベルにまで引き上げているところ。ごちゃごちゃいじらない。鍼灸の理論も同じで、研ぎ澄まされた世界を目指します。職人技みたいなのがかっこいいという世界観です。
中医学はもっと多種多様な世界観がある。日本の漢方はインフルエンザみたいなウイルス疾患にはほとんど対応していませんが、中医学は温病学(うんびょうがく)と言って処方の仕方を持っている。
診断学などをみるとお年寄りの尿疾患や膝崩れなどの運動機能の低下に対してもきめ細かな配慮がなされています。勉強していてつくづくすごいなあと感心しました。
両方を勉強すると両方のいいところとそうでないところが良くわかる。これがとっても大事だと感じます。
今の僕の治療は日本流東洋医学的なやり方です。取穴するツボが少ない。日本の特徴は突き詰めていく手法なので、少ないツボ刺激でからだ全体を変えていこうとします。僕はこの方法が大好きです。
だけど患者さんのためにはそれだけではだめだということもこれまでの臨床経験でいやというほど味わってきました。
ひとの体のこと、病気の成り立ち、環境の変化によるからだの変化などなど、どれひとつとっても人の治療に欠けてはいけない要素がいっぱいあるのです。
そのためにはもっともっと目を大きく開く必要がある。
そのひとつが今回のチャレンジであり、ひとつの大きな目的でした。
そういう意味では、今回のチャレンジは一応成功だったということでしょうか。
もちろん、本当に中医学を使いこなせるようになるまでは果てしない勉強が続きます・・・・。(涙)
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