先日テレビを見ていたら、シンクロナイズドスイミングの日本代表監督の井村雅代さんが、選手の育成は「運動3:食事7」と答えていました。いくら練習しても食事がしっかり取れていないと身にならないというのです。「何より食事が大事です」というところにすごく興味を持ちました。
僕は介護予防運動指導員という資格を持っているのですが、ここでも高齢者に運動してもらい転倒を防いで健康余命を上げるためにも食事のことが最も重要視されています。
高齢者が運動ばかりして食事に気をつけなかったら、運動させることはかえって危険であると東京都健康長寿医療センターの熊谷修先生はおっしゃっています。
運動で筋線維に刺激を与えて修復を促す過程で、たんぱく質など筋肉の材料が不足すれば修復できません。ただでさえ高齢者はこの修復過程のスピードが若いひとより遅くなっているのですから、食事を考えないで行う運動は確かに体を壊す可能性があります。
からだを鍛えて筋肉を大きくしたいと思っている筋トレの世界でも全く一緒です。彼らは健康的なカラダを作るために筋肉の元となるたんぱく質はもちろん、エネルギーの源である炭水化物も、ホルモンの原料である脂質もすべて良質のものをしっかりと取り込むことを心がけています。ちゃんとした食事をしないとカラダが出来ないことを身体で感じているので、一般の人よりもずっと食生活を科学的に考えて大切にしています。
では実際のところ私たちはどのくらいの栄養を一日のうちに取ったらよいのでしょう。
運動するしないにかかわらず日常生活でも栄養素は大切です。
運動をしていないひとでもたんぱく質は体重×1gが一日の必要量と言われています。定期的に運動や筋トレを行っている人は体重×2gになります。
たとえば、60kgの人は一日に60gのたんぱく質が必要となります。
一日に60gというと「意外に簡単」と思われるかもしれませんが、肉60gがたんぱく質60gではないのでご注意を。鶏のささみ100gに含まれているたんぱく質は23.0g。つまり、ささみでたんぱく質を60g取るには260.8g食べないと取れないことになります。運動をしている人はこの倍521.6gです。
単純に日常生活を送るためにもたんぱく質は必要です。まして運動をしてカラダを作り、楽しい日常生活を送ろうと思ったらこの数値はとても大切です。
僕自身筋トレを始めてから食事の大切さを痛感させられています。しっかりした食事をしないとからだ中が筋肉痛で悲鳴を上げてしまいます。皆さんもバランスの取れた栄養補給を心がけてください。
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