呼吸やそれに関係する筋肉はその人の姿勢にも影響を与えているという研究があります。
口呼吸のような強制的呼吸(努力時呼吸ともいう)が癖になっている人は、呼吸の補助筋である頸肩まわりの筋肉が硬くなります。
こういうひとの胸は横隔膜を動かしても広がりにくい。また姿勢が悪いと口呼吸になっていなくても同じように広がりにくくなります。こうなると肺の中の残気量が増え、呼吸が浅くなるのでさらに姿勢が悪くなります。
さらに人の身体は左右で非対称であるため、呼吸筋の動きに影響しています。
横隔膜の右側は下に肝臓があり、左側は上に心臓があります。このため右側はドームのような形状ですが、左側は平たんな形状になっています。ですから左右の収縮がどうしても違うため、右に比べて左側の横隔膜は力が出しにくい。
この力の差は徐々に周囲の筋肉に影響を与え、胸郭が硬くなり、骨盤のゆがみにつながり、股関節の動きにまで影響を与えていると言われています。
なんだかずいぶん大げさな気もしますが、写真の自分の姿を見たときや、人の体を後ろから眺めてみたときなど左右の肩の高さが微妙に違うことがあります。これは左右の胸郭が捻れているために肩甲骨の位置が違っているからです。これにより首の痛みや頭痛や肩こり、さらにはいわゆる五十肩など肩の動きが悪くなる原因となります。
この左右の胸郭のねじれが生じる原因が実は横隔膜の動きと関係しているかもしれないのです。
今この研究はアメリカやチェコなどを中心に広がっています。左側の硬さを取るためのエクササイズ、右側の硬さを取るエクササイズと区別して行うところに特徴があります。
実際、僕自身も右肩が下がり気味で、バーベルなどを持ち上げるとき、どうしても左右に力の差があり、右は力が出るのに左は力が入りにくい。フォームが悪いんだと思い込んでいたので、この原因がわかっただけでもすごくすっきりしました。
呼吸から姿勢を整え、体幹の動きを良くしてパフォーマンスを上げていく。これからの新しい流れになっていくと僕は感じています。
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