それでは、この骨盤についてもう少し詳しく見てみましょう。
骨盤は仙骨を中心に左右の寛骨(腸骨・恥骨・坐骨と呼ばれる3つの骨が合体した骨)で作られています。この構造により、骨盤は左右の仙腸関節により動いています。
つまり、一本の軸は2つの関節の微妙な調整によって左に寄ったり右に寄ったりしていることになります。
体の軸を考えるときにこの骨盤が果たしている役割はとても大きいわけです。
臨床していて、左右どちらかに体が傾いている人は例外なく骨盤のこの関節の動きに偏りがあります。
うしろから左右の関節の位置を確認するとどちらかが上前方に移動し、反対側が下後方に移動しています。
このことは正面から撮るレントゲン検査でパッと見ただけではわかりません。画像で確認できる人はかなり歪んでいる人だけです。
話を戻しますが、からだの軸を整えるためには、この2つの関節の動きを整えることが必須になります。
この2つの関節(左右の仙腸関節)は動きが非常に小さいためによほど手の感覚が鋭くないと自分では確認できません。
そこでほかの関節の動きを借りて調べる方法がいくつも考案されています。
その代表が股関節です。
仰向けに寝てみてください。両足を肩幅くらいに開いて脱力します。そのときの足先は左右どうなっているでしょうか。
両足とも真横を向いている人、内側に向いている人、左右の足先の開きが違う人など、いろいろなタイプの人がいるはずです。これらはすべて骨盤の関節の動きに偏りがあるひとたちです。
これからそれぞれのタイプを解説し、その関節の動きを整える方法をご紹介します。
まず、両足とも真横に開いてしまう人。このタイプの人は足でバイバイするような動きをすると内側に入れるときと外に開くときの感じに差があります。開くほうがやりやすく、閉じるほうがやりにくいです。やりにくいということはその動きが硬くなっているというわけです。ですから、やりにくい内側に入れる動きを意識してバイバイするように動かしてください。このタイプの人はからだの軸が2つあるような動きになっているので歩いているときもドタドタした感じになるのですが、続けて行っていくうちにそれが解消されてスムーズな動きができるようになります。
次に内側に両足が向いてしまう人。このタイプは先ほどと同じように足でバイバイしてみると外に開きにくくなっています。骨盤の関節の動きが小さいのです。こういう人は外へ大きく振るようにバイバイしていくと関節のサビが取れてスムーズに動かせるようになってきます。このタイプの人は心身のどこかに強い緊張があるので、スムーズに動かせるようになるとその緊張が取れて心身がとっても楽になります。
3つ目は足の開きに左右差がある人。このタイプは上に挙げた2つのタイプが混ざり合っています。外に開きやすい人も内に入れやすい人もいるので混合型です。どっちにも動かしにくいという人もいます。とにかく動きにくい方向へ足先を振ってください。徐々に関節の動きが改善して軸が中心にそろってくるとからだの動きや歩きがスムーズになります。左右差があるので、歩くときも蹴りの強い弱いがあり、バランスにも左右差があり、弱い足で片足立ちになるとちょっとふらつく感じになります。左右で使っている筋肉が違うからです。僕自身はこのタイプです。臨床していてもよくみかけます。
この足先が外に開いてしまうのは、腿の筋肉でいうと外側の筋肉をよく使っているか硬くなっている証拠。逆に言うと内側を使っていないので内側が弱いためにそちら側の膝が痛くなりやすい。
内向きになっている人は内側の筋肉が硬くなっているか内側ばかり使っているために外側が弱い。こういう人は股関節が痛くなりやすいです。
骨盤の関節が両方ともスムーズに動いているとこういう癖は出てきません。
ですから、左右万遍なく動かせるように足先を使ってバイバイするこの運動は自分で自分の癖を取り除くことができる非常に有効な方法なのです。
ご自身の体調を整え、健康で楽しい毎日を過ごすためにこの運動を生活に取り入れてどうぞご活用ください。
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