寒い日が多くなってきましたが、気候の変化でもからだは反応しています。
先日、左股関節から左膝までのひどい痛みを訴えて来院された患者さんがいました。
数年前からこの部位に痛みはあったようですが、これほどひどい痛みは初めてだそうです。
朝仕事場へ行く途中から痛みがひどくなり、冷や汗が出て2度ほど立ち止まって休んだそうです。それでもその日は何とか仕事をして帰ったようですが、帰り道もひどい痛みに襲われました。
それから1週間我慢しましたが、とうとう痛みに堪えきれず来院されたそうです。いらした日は同じ姿勢が5分、10分続くと痛みがひどくなりじっとしていられませんでした。
検査の結果、大腿外側皮神経痛と判断しました。これは骨盤の外側から始まり、大腿部を下降し、膝関節の内側に付着する縫工筋とそのすぐ下を通る鼠径靭帯の間から出てくる神経が何らかの理由で炎症を起こすものです。
この患者さんの場合は寒さが原因のようでした。なぜそう言えるのかというと、強い炎症であるにもかかわらず、患部を冷やすより温めてあげたほうが痛みが和らいだからです。
お仕事を聞くととび職ということでした。当然外での仕事ですから、寒さも相当なものだろうと想像できます。当院では患部のみならず肩甲骨周りなど硬くなっているところを丁寧にはり灸でほぐし、からだ全体を温め症状の緩解に努めました。おかげさまで治療が功を奏し、10日ほどで仕事に戻られることができました。
患者さんのからだの不調を見るとき、器質的な変化を見落とさないことは言うまでもありませんが、こういう気候の変化が人体に与える影響ということもバカには出来ません。
こういった疾患は画像検査からだけでは理解できないため、むやみにシップで冷やしたり、痛み止めを飲んでもほとんど効果がないか、ひどくなることも考えられます。
理由もよくわからず突然痛くなったときは、実は一番慎重に診察しなくてはいけない時なのです。
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