連休の日曜日、大阪に行ってきました。大阪はすでに夏。東京ではちょっと聞いたことがないもの凄い蝉しぐれを聞いてきました。あれは何というセミなのでしょうか。おびただしい数のセミたちが間断なくずっと音を立て続けているので、蝉に襲われるホラー映画を想像するほど怖くなる鳴き声でした。
大阪は超音波学会に参加するために行ったのです。今回の目的は整形外科医の長尾秋彦先生の御講演を拝聴するためです。
先生はマイクロサージェリーと呼ばれる最小侵襲による手術を得意とされています。
先生の病院が都内ということもあり当院からも近隣の病院で手術を断られた膝関節の再建術をお願いしたことがあります。関節のなかを直接見なくては分からないことも多々あり、先生のご助言は本当に僕の診療に役に立っています。
先生は肩と膝が専門です。その先生が肩が上がらなくなるメカニズムを講演されるというので、東京で聴ける機会があるかどうかもわからないためわざわざ大阪に行ったというわけです。
今回もいままで知らなかったことが多々あり、驚きの連続でした。
肩の痛みの原因となるインピンジメントと呼ばれる疾患には肩関節内部に骨の変形が観られることや腱板断裂の検査に通常はインピンジメント疾患の有無を確認するためのテスト法を用いて確認していらっしゃるなどはなかなか文献にも出てこない話ばかりです。
学会に参加すると毎回のように知らないことや認識不足なこと、忘れていたことなどに遭遇して自分の勉強不足を痛感させられます。自分だけが取り残されているような気分になり、「俺はなにをしていたんだろう」と自己嫌悪に陥ることも。今回もそういう意味で良い刺激になりました。世の中にはすごい先生たちがいっぱいいます。
実は僕は今年学会が定める「運動器系超音波認定講師」という学会最高位の資格を取得しています。従来から「運動器系超音波技師」という資格があったのですが、さらに上の臨床に即した技術を持つ人を育てようと「臨床運動器系超音波技師」という資格試験が今年の5月に始まったのです。
この資格試験に合格した人のさらに上に「運動器系超音波認定講師」という資格が設けられました。学会にいらした先生方に実際に超音波画像の取り方や写った物の解釈の指導などを行うためのものです。僕がいただいたのはこの資格なわけです。簡単に取れるものではないのですが、その資格がはやくも今回少し恥ずかしくなりました。
この「臨床運動器系超音波技師」試験は、口頭試問と超音波画像の描出両面から、都合6人の先生に審査される資格試験です。患者さんへの話しかけから、問診の取り方、検査項目とその説明、画像の取り方、患者の肢位、画像の説明、臨床診断への導き方など審査される項目は非常に多義にわたり、すべての設問をクリアして試験が終わったときは本当にクタクタ。設問の意味がよく分からず検査しきれなかった項目もあり、受かるかどうかは正直まったくわからない気分でした。
それでも今回大阪に行って僕は本当に良かった。まず知識欲を十分に刺激されました。なんでもわかったと思うと急に興味をなくしてしまうタイプなので、僕にはこういうパンチが必要なのです。そして幅広い地域に僕と同じようにいろいろな立場で懸命に臨床している仲間の先生たちの存在の確認ができました。一生懸命自分の臨床結果を発表している姿は見ていて本当に清々しく刺激になります。長尾先生の深い見識や症例発表している仲間の姿を見て気持ちも新たに「臨床したい」「勉強したい」って思いを強くして帰ってくることが出来ました。
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