肩こりを考えてみましょう

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 肩こりほどポピュラーで誰もが一度は経験したことがあるであろう疾患は他にありません。最近は小学生でも肩こりを訴えて来院してくる子もいるくらい。開業して間もない頃の話ですが、当時すでに50代だった女性が子供の頃自分の祖母に肩揉みをしてもらっていたと話していました。つまり昔から今日まで肩こりは日本人の体調不良の症候ナンバーワンなのです。

 今日はこの国民病とも言われる「肩こり」についてお話したいと思います。

 肩こりを医学的に分類すると「本態性肩こり」と「症候性肩こり」に大きく分けられます。「変態性?」違います、「本態性」です。聞き慣れない言葉が出てきましたが、これは要するに身体に特別な問題がほかになく、純粋に肩こりだけの症状があるという意味。
 「症候性」とは、整形外科的な疾患や脳神経外科疾患、内科疾患、婦人科疾患、精神科疾患、歯科疾患、眼科疾患、耳鼻咽喉科疾患、などなどほかの病的な疾患を抱えているためにそこから引き起こされて出てくる肩こりのことです。

 しかし、僕がこれまで肩こりを訴えて来院された患者さんを診てきた経験からすると、この本態性といえる肩こりの人はほとんどいなかったと思います。実際本態性と診断するためには相当大雑把な診察をしないと言えないと僕は考えています。これまでの文献に登場する本態性肩こりは統計学などで再調査されたらかなりの数が消えてなくなるはずです。なぜなら本態性と診断された患者さんがどこまで検査されたのか非常に疑わしいからです。

 僕はこれまでの臨床から肩こりは患者さんの身体のなんらかの異常を伝えるシグナルだと捉えています。
 それは本当に軽い疾患から癌のような重篤なものまで様々です。重篤な疾患が疑われる場合はすぐに専門病院を紹介するとして、僕が問題にしたいのはまだ画像検査や血液検査にも引っかからないようなごく軽い状態のものです。
 これらも軽いからと言って簡単にみすごせない理由があります。なかにはその状態になるまでに相当の年月がかかっている疾患があるからです。

 肩こりをつくる疾患のひとつ胸郭出口症候群。これは首や肩まわりに栄養を与える血管が周囲の筋肉や軟部組織に圧迫されて引き起こされるものです。これなどは1,2週間の状態で出てくるものではなく、何ヶ月、何年も積み重なって疾患になってきているものです。子供でも起きていることがあり、その場合はその子の幼少期から何らかのきっかけがなかったか、親御さんの体質もふくめて問診の対象になります。

 前回の首のお話でも触れましたが、首や肩こりはそれ自体が全身の自律神経症状を引き起こす原因になり得るのです。

 ですから肩こりと言ってもそれを引き起こしているからだの状態をよく調べ、原因を特定し、そこから波及しているかもしれないそれ以外の不調をも取り除くべく治療し、そのあとは肩こりにならないように仕事をしている人でも運動が嫌いな人でも簡単に自分で出来るエクササイズを指導する。
 これが僕自身首が悪いために本当に症状が多義に渡り、長年患ってきたからこそ出てくる自分が受けたい、したい治療です。
 そのために最近は治療だけでなく、ファンクショナルトレーニングというのを指導し始めました。自分がやってみて本当に効果があったものだけを厳選して患者さんにお伝えしています。

 三勝はり灸接骨院はこれからも肩こりを「ただの肩こり」などと扱わずまじめに治療していきます。


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